多摩丘陵の緑豊かな丘の上に立つ西山美術館は、実業家西山由之氏が創業した株式会社ナック後援の下、ロダンとユトリロの作品を数多く展示している。
それに加え、世界の銘石を飾ってあるがこれも圧巻。多分、国内では類を見ないであろう。
フランス国立ロダン美術館公認の同館は、「バスティアン・ルパージュ」、「バルザックの胸像」など代表的な大理石彫刻をはじめ、デッサン、素描など52点のロダン作品を擁する。
ユトリロは白の時代の作品19点を含め、リトグラフ、素描など合わせて82点を収蔵。個人コレクションとしては世界一を誇るボリュームで、4階と5階にまたがる広いユトリロ館は見応えがある。
学芸員の資格を持ち、同館館長を務める西山由之氏にお話を伺ったところ、ロダンの魅力に取り憑かれたのは、小学校5年生の時、授業で「考える人」を模刻したことがきっかけだったという。西山氏が念願叶ってパリのロダン美術館を訪れたのは32才の時。感銘を受け、日本の桜の木を同美術館とムードン市にあるロダンのアトリエそしてロダン美術館館長宅にと3本プレゼントした。
ユトリロについては「その生き様に惹かれた」とのこと。
町田市を生活基盤とする同氏にとって 、地域への恩返しの意味を込めてこの美術館を建設した。2006年5月のオープン以来、地元の人々の憩いの場となり、同時に日本全国からユトリロファンがやって来て、フランス人の来場者もあるという。
銘石の美術館としても知られ、パワーストーンが並び、美術館入口横にある開運神社には水晶が祀られ、特に恋愛運に効果があるらしい。
館内には、マイセンのカップで美味しいコーヒーや紅茶が飲めて、ホームメイドケーキを味わえる喫茶室もある。
また、4千坪の庭園では四季折々の自然の風景が楽しめる。
時間をとってゆっくりと過ごしたい美術館だ。
東京都町田市野津田町 1000
http://www.2480.jp