©︎ Films Boutique
ある若い女性の不審死に対して、市民による政府抗議運動が苛烈するイラン。
国家公務に従事するイマンは、判事に昇進し、妻のナジメと二人の娘と共に、祝いの食事を楽しんだ。
ところが、ある日、寝室に置いてあったはずの、国から護身用に渡された拳銃が消えたことから、平凡で穏やかな家族の生活が一変する・・。
イラン国内では、モハマド・ラスロフ監督の作品は、「国家安全保障を危険にさらす」として上映されず、監督自身も有罪判決を受けている。収監中だった2022年、ヒジャブの着用をめぐり警察に拘束された女性の不審死をきっかけに抗議運動が起こり、母国の社会的な変化を目の当たりにしたラスロフ監督は、本作を製作する決意をしたという。
2024年に国外へ脱出し、監督自身が参加した、第77回カンヌ国際映画祭では、【審査員特別賞】を受賞した本作に、12分間に及ぶスタンディングオベーションが起こった。そこには、驚愕と感動、監督に対する熱いリスペクトなどの賞賛の意が込められていたに違いない。
本作は重い主題を投げかけながらも、心理スリラー作品の側面も強く、167分という長さを感じさせない、最後までハラハラとした展開が続く、良質のサスペンス映画でもある。
2月14(金)TOHOシネマズ シャンテほか全国公開
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監督・脚本:モハマド・ラスロフ カンヌ国際映画祭ある視点部門【脚本賞】『ぶれない男』(17)、ベルリン国際映画祭【金熊賞】『悪は存在せず』(20)
出演:ミシャク・ザラ、ソヘイラ・ゴレスターニ、マフサ・ロスタミ、セターレ・マレキ
2024年/フランス・ドイツ・イラン/167分
配給:ギャガ
公式サイト:https://gaga.ne.jp/sacredfig/