“世界を変える展覧会”がコンセプト

ギャラリーオーナー 田賀ひかるさん

祖師ヶ谷大蔵で、GALLERY TAGA 2を運営する田賀ひかるさんは、定期的にパリのギャラリーで日本人アーティストの作品展示もオーガナイズしている。

GALLERY TAGAはいつオープンされたのですか?

—1991年、テキスタイルデザインの仕事をしていた母が立ち上げました。母はヨーロッパをよく旅行するのですが、街中の小さな道で出会う企画展を行うギャラリーが何年も変わりなく続いている様子を見て、自分もそんなギャラリーを開きたいと思ったようです。
それで10年間限定で、現代美術のギャラリーを開くことになりました。絵画、彫刻、写真、版画など母が自分で展覧会に出かけ、気に入った20~ 30代の若手作家の作品を中心に毎年10回程の展覧会を行いました。
当初の予定通り2000年に休廊し、2014年にGALLERY TAGA2として再開しました。現在は、年に7回の企画展を開いています。14年間休廊していたにも関わらず、以前のお客様も来て下さいます。

GALLERY TAGA2のコンセプトは?

—“世界を変える展覧会”です。つまり、作品を見たことによってその人の世界の見方、ものの感じ方が変わるような展覧会を実現することです。
私もまずは自分で展覧会に行き、作品がいいと思った作家にコンタクトし、実際に会って話をして、一緒に仕事ができる人かどうか確認します。幸い、作品も人間性も優れた作家たちに恵まれて、いい信頼関係を築きながら仕事をしていますね。

白い壁を使ったシンプルな作品展示

田賀さんはこのギャラリーに携わる前もアート関連の仕事をされていたのですか?

—大学で美術史を学び、学生時代から2年間フランスとの関係が深い吉井画廊で働き、その後は美術品オークション関連の仕事をしていました。また、アートとは関係のない分野のサイトのコンテンツ制作をしたこともありますし、教育関連のベンチャー企業に勤めたことも。そこでは経営のイロハを学び、それが今、ギャラリー運営に役立っています。

パリのギャラリーで日本人アーティストの個展を企画されていますね。

—はい、2015年から毎年、GALLERY TAGA 2で個展を開いた作家の中から、パリの提携ギャラリーのテイストに合う等の基準を元に選んで展示会を開いています。
私は中学1年の時に初めて母と一緒にパリに行って以来、フランスが好きで、大学で第二外国語として仏語を選択し同時にアテネフランセの仏語講座に通いました。母は毎年フランスに行っており、母の友人でパリ在住の日本人アーティストの方達は親戚のおじさん、おばさんのように私のことも可愛がってくれます。今はパリの展示会は年に一度ですが、何かもっと発展させて行くことができれば、と考えています。

今後の抱負を聞かせてください。

—子ども向けのアート教育としてワークショップなども企画しています。それから今、力を入れているのがアートレンタル。オフィスや医院の待合室などに飾る作品をレンタルするサービスです。また、アートフェアにも参加しようと考えています。ギャラリーでお客様を待っているだけではなく、これからはいい作品に多くの人に触れてもらうためにどんどん外に出て行こうと思います。

住宅街に溶け込むギャラリーGALLERY TAGA 2

http://gallerytaga2.com

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