フランスのモン・サン・ミシェルに行ったことがある人は必ず、その目の前を通ったに違いない、オムレツで有名なレストラン、ラ・メール・プラール。その支店が東京にあり、今年6月末に最近、リニューアルオープンしたばかりだ。
フランスの本店は創業1888年、このオムレツは、遠くからモン・サン・ミシェルを訪れた巡礼者や旅人に栄養があってボリュームたっぷりの料理を食べさせたい、と当時の女性シェフのアネット・プラールが考案したもの。ラ・メール・プラールは、彼女の愛称で、日本語でいうとプラール母さん、となる。
私はフランスに住んでいた時にモン・サン・ミシェルには、仕事とプライベートで数回行っているが、本店に入ったことは一度もない。というのもフランス人にとっては観光客向けの高い店というイメージがあるので、フランス人と一緒にモン・サン・ミシェルに行けば、この店に入ることは、まずない。日本人向けのツアーに同行した時は、ミニバスの運転手さんに、“お客がオムレツを食べている間に観光バスの運転手たちがご飯を食べに行く安くて美味しい店”に連れて行ってもらったのだ。
日本に戻って初めてこのオムレツを食べる機会が訪れた。時間をかけて泡立てたオムレツは、そのふわふわの食感が素晴らしく、期待以上の美味しさで、伝統にあぐらをかく観光客向けメニュのイメージを払拭。
モン・サン・ミシェルのあるノルマンディ産のりんごの発泡酒シードルを添えて、味わってください。(江)
千代田区丸の内3−5−1東京国際フォーラム ホールA 1階
www.la-mere-poulard.jp