つげ義春は、2020年のアングレーム国際漫画祭で特別栄誉賞を受賞。人前に出ることを嫌っているにも関わらず、フランスに飛び、多くの人々が見守る授賞式の壇上で、トロフィーを受け取った。
本書は82歳で初の渡航をした、つげ氏の様子を、 旅立ちから帰国まで完全密着リポートし、授賞式で手を振る姿をはじめ、 現地でのポートレートを多数紹介。
さらに、同行した息子・正助氏の談話、 帰国後のつげ氏へのインタヴュー、国際漫画祭の前年、にフランスのフリーペーパー「ZOOM JAPON」のつげ義春特集に掲載されたインタヴューの訳文も掲載されている。
もう一つの目玉は、 名作を原画の形で読めること。 アングレームでも、 つげ氏の原画展が開催されて話題になったが、本書では、 1966~70年に「ガロ」に発表された作品群のうち、 「李さん一家」「海辺の叙景」「もっきり屋の少女」など7作の原画を、 初めて全頁掲載する。
カバーはパリのポン・ヌフで撮影されたポートレート。 初版のみ、 つげ氏自筆メッセージ入りの帯が付く。