岡本太郎大回顧展で、パリ時代の油彩画3作品を初公開

<作品A 作家名:推定 岡本太郎 制作年:1931-33? 所蔵先:ユベール・ル ガールコレクション(パリ)>

1970年に開催された日本万国博覧会(大阪万博)のテーマ館《太陽の塔》で知られ、今でも幅広い世代の人々を魅了する芸術家・岡本太郎の芸術人生を振り返る、大回顧展が7月23日から開催される。

そこで、岡本がパリ時代に描いたとされる3作品が初公開されることになった。


<作品B 作家名:推定 岡本太郎 制作年:1931-33? 所蔵先:ユベール・ル ガールコレクション(パリ)>


<作品C 作家名:推定 岡本太郎 制作年:1931-33? 所蔵先:ユベール・ル ガールコレクション(パリ)>

1930 年、18 歳でパリに渡った岡本太郎は、自身の芸術のありように悩んでいたが、偶然目にしたピカソの《水差しと果物鉢》に衝撃を受け、抽象絵画の制作を開始した。しかし、 岡本が日本に持ち帰った1930年代のパリ滞在期の作品は、戦災で全て焼失してしまったのである。

ところが、1993 年、パリ市内にあるミロ、アルプ、 エルンストら岡本太郎とゆかりのある作家も創作拠点としていた“アトリエ村”「シテ・デ・フュザン」に居住する画家が、前居住者の残置物のなかにあった《作品C》をゴミ集積場に廃棄。それを同所内に居住するデザイナーG氏が拾得し、保管する。
1994年、その画家が逝去した際に、《作品 A》《作品 B》を含む遺品をフランス政府が接収。政府の委託によりオークションにかけられた両作品を G 氏が落札した。その後、《作品 A》に岡本の漢字署名を発見し、画集『OKAMOTO』を取得したG 氏は、3作品が岡本の筆によるものと確信する。

本展の開催を契機に主催者とG 氏が協議を重ね、3作品を日本に持ち込み、分析・鑑定を行ったところ、岡本自身が描いた可能性がきわめて高いという結論に至り、公開の運びとなった。

本展覧会は、岡本太郎の代表作品とともに、彼が芸術家としての基盤を作った1930年代のパリ滞在期の作品を鑑賞できる、貴重な機会となる。

展覧会 岡本太郎

会期・会場:

[大阪展]
2022 年 7 月 23 日(土)〜10 月 2 日(日)
大阪中之島美術館 4 階展示室

[東京展]
2022 年 10 月 18 日(火)〜12 月 28 日(水)
東京都美術館

[愛知展]
2023 年 1 月 14 日(土)〜3 月 14 日(火)
愛知県美術館

公式サイト:http://taro2022.jp/

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