フランスにおいて、異質の音楽として出発したジャズが、どのように受容され、発展・普及したのか?
20年以上パリに在住し、フランス社会事情、文化、ガストロノミー、音楽に詳しく、フランスに関する著作が豊富な宇田川悟が、自身の体験と取材を踏まえながら、フランス・ジャズの歴史を紐解く。
本書には、ルイ・アームストロング、デューク・エリントン、キース・ジャレット、バド・パウエル、セロニアス・モンクなど著名なジャズミュージシャンはもとより、エリック・サティ、エディット・ピアフ、藤田嗣治、岡本太郎、ピカソ、サルトル、カミュ、ボーヴォワール、セルジュ・ゲンスブール、シャルロット・ゲンスブール、ジェーン・バーキン、大江健三郎、ルイ・マル、ココ・シャネルなどが登場。
単なる音楽としてのジャズの歴史書ではなく、20世紀のフランスと世界で、ジャズが他の芸術や文化のジャンルと関わりながら、どのようにその王道を歩んだのか。そして、音楽と人間の関係、そこに生まれる栄光や悲哀が語られている。
宇田川悟(うだがわ・さとる)
1947年、東京都生まれ。早稲田大学政治経済学部卒。作家。20年にわたるパリ生活より、フランス社会事情、文化、ガストロノミーに詳しく、フランスの音楽について取材、雑誌を中心に日本のメディアで発表してきた。2010年フランス農事功労章シュヴァリエ受章。主な著書に、『食はフランスに在り』(小学館ライブラリー)、『パリの調理場は戦場だった』(朝日新聞社)、『書斎探訪』(河出書房新社)、『フレンチの達人たち』(幻冬舎文庫)、『フランス料理は進化する』(文春新書)、『ホテルオークラ総料理長小野正吉』(柴田書店)、『覚悟のすき焼き』(晶文社)、『VANストーリーズ』(集英社新書)、『欧州メディアの興亡』(リベルタ出版)などがある。訳書に2014年にノーベル文学賞を受賞したパトリック・モディアノ著『カトリーヌとパパ』(ジャン=ジャック・サンペ絵、講談社)など。
発行元:晶文社
2023年7月12日発売